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漢方薬で備える新型インフルエンザ対策

新型インフルエンザパンデミック

NHKスペシャルを見たか!
 今年の1月1 月12 日(土)13 日(日)の夜のゴールデンタイムに放送されたNHK スペシャル「シリーズ最強ウイルス 第一夜 ドラマ」「シリーズ最強ウイルス 第二夜 ドキュメンタリー」を見られただろうか?おりしも1月10日に中国南京で鳥インフルエンザの人から人への感染が確認されたと発表された直後の放送であった。12,13日は私が所属するTAO東洋医学研究会の前日ミーティングと研修例会があった日である。会場では南京で発生したニュースの事実関係について、そして連夜のNHKスペシャルでの報道について、皆でこれからどうなるのかと話し合った。そして新型インフルエンザは「もうすぐ日本に上陸するのではないか?」「備えは大丈夫か?」というところまで話が進んだ。私は漢方には少し詳しい、一般開業歯科医師であるが、実は1989年(平成元年)から5年間、大阪大学微生物病研究所細菌ウイルス部門(現 癌発生研究部門  発生遺伝学研究分野)で遺伝子組換えの研究を行っていた。したがってウイルス学は専門ではないが、ウイルスについても少し理解が出来る、変な歯医者でもある。その私が来るべき新型インフルエンザへの備えを重症急性呼吸器症候群( Severe Acute Respiratory Syndrome, SARS サーズ)が流行した2002年直後から訴えていた。しかし周囲は全く聞き入られず、見向きもしなかったが、ここにきてNHKスペシャルの放送後やっとその重要性が理解されだしたようである。NHKスペシャルはその後これまで2回も再放送されている。大反響があったようだ。鳥インフルエンザについては1997年香港で鳥から人への感染が報告され、その直後よりこの鳥インフルエンザウイルスが、やがては変異を繰り返し、人に感染する、新型インフルエンザとなるのではないかと心配されていた。実はSARSは当初原因不明ということで大変恐れられたが、後にコロナウイルスにより引き起こされる疾患であることが判明した。SARSは2002年11月中国広東省で発生し、2003年7月に新型肺炎制圧宣言がだされるまでの間に、8,069人が感染し、775人が死亡(死亡率は9.6%)したとされている。鳥インフルエンザは現在インドネシアやエジプト、ベトナム、中国で猛威をふるっている。WHOの報告(4月30日付け)では382確定症例数に対し241の死亡例数(死亡率63%)が報告されている。

新型インフルエンザとは
 毎年冬を中心にインフルエンザが流行(いわゆる流行性感冒)する。しかし現在はワクチン接種である程度の予防が出来ている。インフルエンザはその原因がウイルスである。ウイルスとはそれ自体では生きていくことが出来ないが、人や動物の細胞に侵入して、人や動物の細胞を使って増え続け、やがてまた他の人や動物に感染し、増え続けるというやっかいなものである。これまでのインフルエンザウイルスはすべてもともと鳥ウイルスだったものが人に感染するよう変化したものであると解っている。インフルエンザとはいわゆる風邪とは違う。いきなり38℃以上の発熱があり、頭痛、関節痛、鼻水、せきやくしゃみなどのひどい呼吸器の症状が出るものをいう。幼児やお年寄りの抵抗力の弱い人を中心に、脳炎や肺炎から命を落とす場合もある。ワクチンが普及した現在でも、年間約1000万人が罹患し、年によって違うが数千~3万人が死亡している。インフルエンザは過去1918年にスペインかぜ、1957年にアジアかぜ、1958年に香港かぜなどと呼ばれたパンデミック(感染爆発)が数十年に一回の間隔(平均27年に一回)で発生し、人類に大きな被害をもたらしている。原因は本来、鳥だけに感染していた、人類が全く抵抗を持っていなかった鳥インフルエンザウイルスの突然変異による人への感染である。歴史上これまで最大の被害は1918年のスペインかぜである。スペインかぜでは感染率40%以上で致死率2%。日本国内では3週間に42%が罹患し、45万人が死亡したとされている。死者数は関東大震災の5倍、阪神大震災の10倍である。しかし過去のインフルエンザはこれだけ大きな被害をもたらしながら、すべて弱毒性であった。学問的にはこれらインフルエンザウイルスはすべてA型ウイルスで、スペインかぜがH1N1型、アジアかぜがH2N2型、香港かぜがH3N2型である。インフルエンザウイルスはRNAウイルスで突然変異を人の1000倍もの確率で繰り返し、人が100万年かかった進化をわずか1年間でやり遂げる性質を持つ。そのような常に変化しているインフルエンザウイルスの中で強毒性で、全く新しい新種の鳥インフルエンザH5N1型が、まさに今、鳥から人に感染するような変化を起こしはじめているから恐ろしいのである。

 

人類史上初めての強毒性ウイルス

脅威の毒性
 H5N1新型インフルエンザの何をもって強毒性と言うかというと、致死率が現在発生している鳥インフルエンザの鳥-人感染では63%で、かなりの高率であるということ。罹患した者の症状がこれまでのインフルエンザとは全く違う、全身臓器の感染、サイトカインストーム(免疫異常反応)、多臓器不全などを起こし、最終的には死に至る。最近の研究で明らかになったことの一つには、強毒性の鳥インフルエンザウイルスの毒性を決定する部位は、突然変異をいくら繰り返してもその性質が弱毒性に変わる確率は極めて少ないということである。数年前の鳥インフルエンザウイルスは42℃で増殖していたが、現在では36℃の人の体温で増殖するタイプに変化しており、人に感染するのは時間の問題と言われている。その鳥インフルエンザウイルスが突然変異の結果人に感染しやすくなり、人から人に感染が拡大するのがパンデミック(感染爆発)である。この新らしく突然変異したウイルスに対しては、スペインかぜと同様に人類はまだ誰も免疫(抵抗力)を持っていないことになる。したがって弱毒性のスペインかぜ以上の悲惨な状況になることが予想されている。厚生労働省の予測では、国内で最初の患者発生からわずか2ヶ月の間に日本の人口の1/4(3200万人)が罹患し、最大64万人が死亡(死亡率は2%)するとしている。そしてもう一つの特徴は若年者に重症例が多いと言うことである。特に乳幼児、児童と40才未満の若年成人では感染も多いし、致死率も高い。10代での致死率は70%を超える。発症してからは平均4日後に入院、5割以上の患者が入院後5日後に死亡、すなわち発症してから9日後に死亡している。50才以上の致死率は最も低い。これらのデータはスペインかぜの時と類似しており、代謝や免疫反応が活発な若年者に強い生体防御反応が起こり、サイトカインストームが誘導されるのが原因と考えられる。

恐怖の空気感染
 インフルエンザは空気感染である。感染者の咳やくしゃみ、あるいは会話で、ウイルスを含んだ唾や唾液が飛び散り、近くでその飛沫を吸い込んだ人が感染することは理解できよう。このようなウイルスを含んだ微粒子の直径が5μ(1mmの1000分の1)より大きなものを飛沫と言い、この感染を飛沫感染という。飛沫が到達する距離は直径1m程度とされている。直径が5μより小さい場合は飛沫核といい、乾燥した環境などでは周りの水分がなくなり、ウイルスそのものに近い状態で浮遊、漂っている。このウイルス飛沫核を吸い込んでも感染は起こる。いわゆる空気感染である。飛沫核のウイルスは付着する表面の正常によって異なるが、約8時間から48時間は生き続ける。したがって目に見えない飛沫核は、床、壁、ドアの取っ手、机、椅子、衣服、食器、食べ物などあらゆるものを介して直接あるいは間接的に呼吸器に入ってくる。空気感染の成立である。また新型インフルエンザ発症者の70%には下痢や血便の症状が起こる。患者の便や血液にも大量のウイルスが含まれており、この処理を誤ると、飛沫核が作られ、そこから新たに空気感染が発生する。咳やくしゃみによるウイルスの移動は時速120~130?qと言われ、満員電車の車内で1人の感染者が5回咳をすると、一番遠くに離れている乗客も含め100%が罹患するとも言われている。またエアフィルターの装備された飛行機の機内でも1分間に3人が感染するとの試算がある。徹底した感染予防が必要になる。インフルエンザは容易に人から人に感染するため、他人に感染させないことも重要だ。インフルエンザは感染してから発症するまで2~3日間の潜伏期間がある。この間に気づかず外出して、咳やくしゃみで感染を拡大することになる。インフルエンザに感染した可能性があるのではないか?という症状のある人は、病気の悪化や周囲への感染を防ぐために、外出せず、自宅で休養することが重要だ。家族も含め他人に接しなければならない場合は、咳エチケットを十分考慮してマスクを着用することが重要だ。もしインフルエンザに感染した可能性が高い時、医療機関に行くべきかどうかは、今のところ明確な答えはない。心配して医療機関に行ったことが、逆に感染をもらって帰ってくる可能性もある。最寄りの保健所や各自治体に出来る発熱外来に相談することになるであろう。

 

新型インフルエンザ治療法

新型インフルエンザ治療法

新型インフルエンザ対策
 まず正確な知識と情報を収集することが大切である。正確な知識と情報は第一のワクチンとも言われている。この雑誌で得た知識を他の家族や友人と共有し、皆で対策を講じるべきである。残念ながら日本の新聞やマスコミ報道はパニックを恐れ、また万が一、新型インフルエンザが予想を下回り、大したこと、なかったとなった時の批判を恐れ、控えめに報道し、むしろ国民に安心感を与えるような内容になっている。これは「最大の被害を想定」し行動計画を作る欧米の危機管理対策と大きく違うところである。残念ながら日本政府の危機管理能力はお粗末どころか、あきれてものが言えないほどずさんである。アメリカのブッシュ大統領は2005年に一年で8300億円の特別予算を組み、毎年その予算は増額され、本年度は9000億円をつぎ込んでいる。アメリカは国上げて新型インフルエンザに立ち向かうことを宣言し、国民への知識の周知徹底、籠城のための家庭備蓄の呼びかけ「ベッドの下に粉ミルクとビスケットを」、プレパンデミックワクチンの全国民への供給計画、医療準備態勢、インフラや社会が機能しなくなった時の対応策、教育方法などなど用意周到に準備しているのである。「世界中で何があってもアメリカだけは生き残る」という強い意志の表れだ。残念ながら、日本国民は政府に頼っても、今のところ期待するほど準備が出来ていないのが現状だ。政府にも国民にも「国家存亡の危機」という捉え方が出来ていません。この戦争より恐ろしい新型インフルエンザへの具体的な備えについて解説します。

パンデミックワクチン
 新型インフルエンザのワクチンは新型インフルエンザが発生して、罹患した人のウイルスを採取してからしか作ることは出来ません。今の日本の技術では国民全員にワクチン接種できるのにはパンデミックが発生してから最低半年かかります。その間に新型インフルエンザはどんどん広がり、多数の感染者と死者を出すだろう。

プレパンデミックワクチン
 現在の鳥インフルエンザウイルスより作られたワクチンです。新型インフルエンザウイルスとは形は違いますが、よく似ているので効果が期待できます。しかしこれも万全とは限りません。現在日本では2000万人分の備蓄があります。医療関係者やインフラ整備の人を優先的に接種するよう計画されています。7万人分ずつ大ボトルで保存されていますが小分け製品化し、実際の接種には1ヶ月以上かかると予想されます。副作用は不明です。アメリカはすでに全国民分を備蓄完了。せめてプレパンデミックワクチンを日本国民全員に接種して欲しいものです。

抗ウイルス剤
 毎年流行する通常インフルエンザの治療に用いられているノイラミニダーゼ阻害薬(経口内服薬のタミフルと経口吸入薬のリレンザ)があります。政府及び各都道府県では抗インフルエンザウイルス薬の備蓄をタミフルを政府で1050万人分、都道府県で1050万人分、流通備蓄が400万人分の合計2500万人分、リレンザを政府で60万人分を確保しています。しかし最近のインフルエンザでもタミフル耐性ウイルスが発見されており、新型インフルエンザにどれだけ効くかは未知数。また現在インドネシアやベトナムで鳥-人に感染した人にもタミフルが使われているが、効果は不明確。一方、タミフル投与により入院を免れたケースが53%だったとの報告もある。タミフルは発症してから48時間以内に内服しないと効果がない。新型インフルエンザの場合は投与量が通常の2倍で、投与期間も2倍、すなわち4倍量が必要だと言われています。そうなると現在の備蓄量では全然足りなくなる。

 

漢方薬とサプリメントで備える

漢方薬とサプリメントで備える

漢方薬
 いわゆる風邪の弁証論治(診断と治療)には古来より日本漢方の処方と中医学では大きく違う。日本漢方は葛根湯を中心とするゾクゾクする寒気に対する処方で、中医学はいわゆるインフルエンザに対する熱発に対する処方であった。日本の海洋性のジメジメした気候と大陸のカラッとした気候による風邪の症状の違いによるものかもわかりません。
いわゆる風邪は寒実証(日本漢方)では麻黄湯、葛根湯、桂枝湯が代表。それに対しインフルエンザは熱実証(中医学)で銀翹散、天津感冒片、桑菊飲、板藍根が代表である。インフルエンザを疑う場合はこれら中医学の処方を選ぶと良い。国内でも購入できる。葛根湯は本来、風邪の初期でゾクゾクと寒気がして、頭痛、発熱があり、汗が出ず、肩がこわばるような場合がピッタリであるが、最近の研究で抗ウイルス作用があることが判明した。したがってかぜの時期を問わず服用してもある程度効果が期待できる。このほかにインフルエンザ処方としては大青竜湯(麻黄石膏湯)がある。しかしこの処方は現在、健康保険適応の漢方エキス製剤ではない。そこで麻黄湯と麻杏甘石湯を合方(2つ混ぜて飲む)するか、麻黄湯と越婢加朮湯の合方、あるいは小青竜湯と桔梗石膏を合方すれば大青竜湯の処方内容に近づく。またこれとは別に柴葛解肌湯(さいかつげきとう)がインフルエンザに効果的という報告もある。柴葛解肌湯は葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏を合方することで:処方内容に近づけることができる。

1918年のスペインかぜでは森道伯が患者のタイプを3分類して処方し、効果を上げた。すなわち脳症型には升麻葛根湯+白朮、川窮、細辛、呼吸器型には小青竜湯+杏仁、石膏、胃腸型には香蘇散+茯苓、白朮、半夏を処方した。漢方薬が奏功したと言うより、当時は漢方薬ぐらいしかなかったのであろう。本来の構成内容に他の生薬を加味して使ったことに当時の苦労が忍ばれる。

TAO東洋医学研究会顧問で、日本東洋医学会評議員(アイノクリニック、阪神漢方研究所勤務)の長瀬千秋先生は悪性インフルエンザに対する処方として、初期:葛根湯と小柴胡湯と桔梗石膏と白虎加人参湯、中期:大青竜湯(麻黄湯と麻杏甘石湯)と竹茹温胆湯、末期:犀角地黄湯(犀角はワシントン条約で入手できないので、川キュウと大黄で代用する。川キュウと大黄が入っている処方は治頭瘡一方である。治頭瘡一方と滋陰降火湯を使用する)を上げている。また温病の考えからは、銀翹散、桑菊飲、桑杏湯、白虎加人参湯、清営湯が考えられると述べている。

サプリメント
ショウキT1
 インフルエンザをはじめさまざまなウイルス性疾患にはタンポポの葉より抽出されたタンポポエキスが入ったショウキT1(タンポポ茶)が有効である。タンポポはキク科の植物で根を乾燥したものが蒲公英(根)として苦味健胃、整腸、解熱、催乳作用に昔から日本でもタンポポ茶、タンポポコーヒーなどとして使われていた。ショウキ医師(天津中医薬大学教授)の研究によりタンポポの葉に強い抗ウイルス作用があることが解り、タンポポ葉(春収穫)乾燥重量1キロ以上からの抽出エキス、そこに鼎突多刺蟻、鳩麦、緑茶をごく少量加え、飲みやすくしたものがショウキT1である。これまで一般のインフルエンザに日本や中国で有効であると報告されている。また、中国ではSARSのコロナウイルスに有効であったとの報告や、新型インフルエンザについては、H5N1鳥インフルエンザウイルスにin vitro(実験上)で有効であったとの報告がある。このショウキT1が一番頼りになるかもしれない。ショウキT1は内服や噴霧、含漱、点眼、吸入などさまざまな使用法が可能である。また倦怠感のある時には葛根湯+ショウキT1、食欲不振や下痢の時には柴胡桂枝湯あるいは桂枝湯+ショウキT1と漢方薬との併用でもさらなる効果が期待できる。

エキナセア
 エキナセアはアメリカインディアンのかぜ薬として有名である。北米原産の薬用植物で上気道炎の感染初期の治療目的、また上気道炎の予防目的で利用されている。3種類のspecies から根、根茎、葉を含む全草を使う。作用機序は免疫賦活。有効性も安全性も高い。上気道炎治療には1500~3000mg/日を内服する。通常のサプリメントの約10倍量になる。

マルチビタミン、マルチミネラル
新型インフルエンザのパンデミック時には家庭での籠城が必要と言われている。物流がストップし、生鮮食料品も手に入らなくなるであろう。マルチビタミンやマルチミネラルのベーシックサプリは備蓄しておきたい。これ以外にも抗菌抗ウイルス作用のラクトフェリン、プロポリス、鎮痛消炎の西洋シロヤナギ、免疫賦活作用の冬虫夏草などもそろえたい。 

 

マスク、消毒薬、そして備蓄

マスク、消毒薬、そして備蓄

マスクとゴーグル
 マスクにはウイルス感染に対し過度な期待をしてはいけない。マスクではウイルスを完全に遮断することは難しい。しかし感染予防に必需品であることには違いない。パンデミック時の外出ならびに感染者を扱う時には、1)ガウンを着る2)ヘッドカバーまたは帽子をかぶる(毛髪部分と耳は帽子で覆う)3)鼻・口を覆うマスク(N95マスク)を装着する4)ゴーグル、フェイスシールドを装着する5)手袋をつける。※ガウンの袖の上に装着する必要がある。これはアメリカCDC(疾病予防管理センターCenters for Disease Control and Prevention:CDC)の “Guidance for the Selection and Use of Personal Protective Equipment (PPE) in Healthcare Settings”より引用(http://www.cdc.gov/ncidod/dh)基本的に我々がいつも使っているマスクはサージカルマスク(手術時、術者から清潔域への飛沫を防ぐ目的)という分類になる。より高い防御にはレスピレーターマスク(周囲の環境から術者を防護する目的)が必要だ。サージカルマスクでもレスピレーターマスクでもN95基準のものにする必要がある。N95とは(アメリカCDCの基準)0.3ミクロン以上の微粒子を95%阻止できるPFE(Particle Filtration Efficiency)〉95%(0.3ミクロン)のことである。サージカルマスクにしてもレスピレーターマスクにしても鼻、口、顎を覆い、鼻部分を鼻梁にフィットさせ、ひも/ゴムバンドで頭にしっかり固定フィットするよう調節する必要がある。マスクと顔の間に隙間があってはダメだ。
 ゴーグルは目を覆うように取り付け、イヤピースかヘッドバンドで頭にしっかりと固定、フェイスシールドは顔を覆うように取り付け、ヘッドバンドで額の上に固定、適切にフィットするよう調節する。マスクは使い捨てで汚染部には手で触れないようにして、ビニールの袋に入れて捨てる。

消毒薬
 次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、ブリーチなど)やポピドンヨード(イソジンなど)がウイルスに対し有効な消毒薬として用いられてきた。最近、大幸薬品http://www.seirogan.co.jp/が二酸化塩素ガス長期保持に関する特許技術で、従来の方法では難しいとされた二酸化塩素ガス濃度を一定にできる商品を開発した。二酸化塩素は、その特有の分子構造 フリーラジカルによる強力な酸化作用でウイルスの蛋白質を酸化し、機能を止める。マウスによる動物実験では、A型インフルエンザウイルスと同時に、二酸化塩素ガス(0.03 ppm)または空気に、実験箱内で15分間暴露させた10匹のマウスの死亡率を21日間比較。対象マウスは10匹中7匹が死亡したにもかかわらず、極微量の二酸化塩素ガス下ではマウスの感染死亡0。同濃度の次亜塩素酸ナトリウムと比較して、100倍以上の抑制作用。ポピドンヨードに比べ、15秒で30倍以上のウイルス不活化活性が見られたと報告している。二酸化塩素は硫化水素、アンモニアなどの悪臭物質に対しても酸化修飾し、消臭作用を発揮。商品名はクレベリン、ビクレ、ウイルシードなど。

備蓄
 パンデミック発生時には外出は控え、家庭内に籠城する。期間は過去のインフルエンザのデータから考えると最低2ヶ月、長ければ半年である。2ヶ月間外界と遮断されても生き延びられる食料、水、その他必需品の備蓄が必要である。水道は大丈夫という考えもあるが、パンデミックガ落ち着くまでには世の中の60~70%は罹患する。インフラ(ガス、水道、電気、電話など)が大丈夫という保証はどこにもない。インフラが機能しなくなることを考えて準備すべきである。まず食料と日用品の備蓄から始めて下さい。物流がストップすますので、物品での備蓄が一番確実です。

備蓄物品
食糧(長期保存可能なもの)
主食類:米(玄米だとミネラル豊富)、乾麺類(そば、ソーメン、うどん等)、切り餅、コーンフレーク・シリアル類、スポーツエネルギー補給用バー、高カロリージェル、乾パン、レトルトぞうすい(熱発時に重宝)、パン(冷凍保存)
その他:塩、味噌、醤油、レトルト食品、フリーズドライ食品、冷凍食品(停電に注意)、インスタントラーメン、缶詰(フルーツの糖分は重宝)、菓子類、ミネラルウォーター、スポーツ飲料(熱発時に重宝)ペットボトルや缶入りの飲料  など

日用品・医療品
常備品 :常備薬(胃薬、痛み止め、その他持病の処方薬)、絆創膏(大・小)、ガーゼ・コットン(滅菌のものとそうでないもの)、解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)、薬の成分によっては、インフルエンザ脳症を助長する可能性があります。購入時に医師・薬剤師に確認すること
通常の災害時のための物品

あると便利なもの
懐中電灯、乾電池、携帯電話充電キット、ラジオ・携帯テレビ、カセットコンロ・ガスボンベ、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、キッチン用ラップ、アルミホイル、洗剤(衣類・食器等)・石けん、シャンプー・リンス、保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの)、生理用品、ビニール袋(汚染されたごみの密封に利用)など

対インフルエンザ対策の物品
マスク(N95レベル)ゴーグル、コート、ゴム手袋(破れにくいもの)
水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)、冷却ゲル
二酸化塩素、漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある)、消毒用アルコール  など

心構え
 これまでいろいろな人が来るべき困難な時代にどう生きるか、どう備えるかについて大切な言葉をメッセージとして残しています。11人の子供の母親だった与謝野晶子はスペインかぜの時に「人事を尽くして天命を待つ」「何があっても生き延びる」との強い意志のもと、スペインかぜに対するあらゆる予防と抵抗をとりました。専門家の間では新型インフルエンザは「If の問題でなくWhen の問題」。つまり「本当に起きるかどうか」はすでに問題でなく「いつ起きるか」が問題と言うことで意見が一致しています。最悪の事態に備えるのが危機管理の定石です。まず最新の正しい情報収集しましょう。そして迫り来る恐怖に、今何が出来るか、準備はこれでよいかを考えながら、毎日少しずつ確実に備蓄し、強い意志を持って立ち向かいましょう。

参考文献
H5N1型ウイルス襲来―新型インフルエンザから家族を守れ!
岡田晴恵 角川SSC新書
パンデミック・フルー 新型インフルエンザ Xデー ハンドブック
岡田晴恵、講談社
新型インフルエンザH5N1
岡田晴恵、田代眞人 岩波科学ライブラリー 139
新型インフルエンザ・クライシス
外岡立人 岩波ブックレット
インタビュー 新型インフルエンザの”リアル”を語ろう
田代眞人 SAFTY JAPAN   日経BP  http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/interview/90/index.html
インタビュー H5N1という”敵”に日本が採るべき策
岡田晴恵 SAFTY JAPAN   日経BP  http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/interview/91/index.html